メディア・リテラシー(2時間)
単元: 社会と情報「情報社会 4.メディアとその特徴」(p.14-15)
本時の位置づけ
メディア・リテラシーは、その語句こそ学習指導要領に登場しないが、情報の信頼性・信憑性、情報に対する個人の判断と関係が深い。
また、私達は日々メディアに触れて生きていることから、メディアを介した情報を判断する能力は、現代社会で生きる力としても重要である。
教材観
マスターマンの「メディア・リテラシーの18の基本原則」にあるように、メディア・リテラシーは、知識を教えこむことでは身につかない。
メディア・リテラシー自体を学習させるのではなく、メディア・リテラシーの重要性を認識させ、生徒自身がその向上に努めるよう動機づけすることが目的である。
そのきっかけとして、最初に現実イメージと現実が著しく異なりうることと、メディアにおける表現から意図を理解することの重要性を、実際の新聞記事を通して認識させる。
またメディア・リテラシーの基本として、Wikiなどの情報の信頼性や、グラフの意図的な修正、相関関係と因果関係の違いが挙げられる。
生徒観
西京高校の生徒はSNSやマスメディアなど日々メディアに接しており、そこからさまざまな情報を得ている。
メディアを以前に学習したこともあり、メディアが現実イメージを構成することは認識しているが、実際にそれがどの程度現実と異なるのかについて、十分に理解しているとはいえない。
また情報の信頼性・信憑性に対しても、検証が不十分なまま発表に用いるなど、敏感とは言えない面がある。
指導観
以上より本時では、メディア・リテラシーの重要性を認識させ、批判的に情報に接する態度が必要なことを理解させることを目的とする。
そのため、新聞記事を単に紹介するだけでなく、その記者の意図を生徒各自で推定させ、表現から意図と情報を区別して理解することを実践させる。
その際、メディアの基礎事項やGW課題などを適宜復習し、既習事項と関連付けて理解させることに留意する。
また一方的にメディアを批判するだけでなく、丸ごとは伝えられない現実の一側面を切り取ることがメディアの本質であることにも言及する必要がある。
本時の目標
- メディア・リテラシーの重要性を認識し、生徒自身がその向上に努めることが必要だと理解する。
- メディアの与える現実イメージと現実の違いを理解して、信頼性・信憑性を意識して、情報に批判的に接する態度を身につける。
指導計画
1時限目
sequenceDiagram
participant T
participant S
participant PC
Note left of T: 導入(5分)
S->>PC: タブレットもしくはノートPCの準備作業を行う
T->>S: メディアが個人の現実イメージを構成することを復習する
Note right of S: PCの準備状況に配慮する
Note left of T: 展開(15分)
S->>T: 体力調査結果の動画を視聴し、視聴者がどういう印象を持つか考える
T->>S: 「子供の体力が低下している一方、高齢者の体力は上がっている」という印象を視聴者が持つことを確認する
S->>S: 動画が正しく事実を伝えているか、他社の記事や文科省の報告を基に検討する
T->>S: 「動画は事実を適切に伝えていない」と生徒が感じた部分を共有する
S-->>T: 動画は一部の種目の結果しか伝えていない点、文科省のコメントの一部のみを用いた点などから、動画にあるのは現実の一側面に過ぎないことを理解する
S-->>T: メディアに与えられる現実イメージは現実と異なり、批判的に情報に接する必要があることを理解する
Note left of T: 展開(15分)
T->>S: 発信者の意図を把握できなければ、理解したといえないことを復習する
S->>S: なぜ動画ではその側面を切り取ったのか、TV局の意図を推測する
S-->>T: TVの視聴者層を示したグラフから、主な視聴者層に合わせて動画が編集されていることを理解する
Note left of T: 展開(15分)
T->>S: メディア・リテラシーの定義を示す
2時限目
sequenceDiagram
participant T
participant S
participant PC
Note left of T: 展開(20分)
S-->>T: Wikipediaや標本の偏りの例から、信憑性のない情報を鵜呑みにすることの問題点を理解する
S-->>T: 3Dグラフの例から、送り手の意図が反映された表現が現実と異なるイメージを与えることを理解する
T->>S: グラフで表現できる内容を整理し、適切にグラフを用いるよう伝える
S-->>T: 不適切な結論を導く例から、相関関係と因果関係を混同して理解する危険性を認識する
Note left of T: 展開(25分)
T->>S: 夏季課題(新聞記事を取り上げて批判的に考察するレポート)を提示する
S->>PC: 新聞記事を探し、レポートの概案(アウトライン)を作成する
Note right of S: アウトラインの作成を通じてレポートの骨格を作ることを意識させる
Note left of T: 総括(5分)
T->>S: メディアを批判的に読むことで、より現実に近いイメージを持てることを復習する
T->>S: 現実をそのまま伝えるのは不可能であり、現実を一側面に局限することで媒介を実現するのがメディアの本質だと伝える